11. 「三浦の名」
 
王滝村の秘境・滝越集落


御嶽山の麓で秘境のような場所が王滝村の滝越である。
これ以遠は人煙も無く、車の乗り入れ規制があり徒歩2時間半でダム。
それにしても気になるのがこの周辺のダムや山、貯水池の名前。

三浦貯水池、三浦ダム、三浦山・・・。

「三浦ってまるで名字みたいだな・・・。」
この疑問を解決すべく昔の著書やネットで調べてみる。
詳細は存じないが、どうやら室町時代に神奈川県三浦半島で勢力を誇った三浦一族が、宝治合戦(1247年)で北条氏に滅ぼされ、その大将であった三浦太夫と一族がこの地に逃げて来たということらしい。いわゆる落武者ってやつだろう。

「じゃあ、なんで落ちてきたのが木曽なんだ?」
との疑問も出てきたが、木曽義仲の妻である巴御前の子供に朝比奈三郎泰秀って人がいて、泰秀が実は三浦太夫らしいのだ。それで母の故郷であり地理にも精通している木曽の地へ落ちてきたというわけである。
三浦一族は今の三浦ダム湖底に住んでいたそうだが、ダム開発と共に滝越へ移ったそうだ。

「ってことは、滝越の家はみんな三浦さんなの?」
と再び疑問が残るので、自分の目で確かめることにした。

信濃の川旅「木曽川」 文・市川健夫氏によると、滝越に住む十七戸の人たちは全て三浦の姓を名乗っている・・・と記されている。

実際に訪ねてみると・・・
わっ! 本当に表札が「三浦」になってる! 何だかちょっと感動した。
そしておもむろに振り返ると三浦太夫のお墓が存在した。
思わず「は、、、はじめまして」と頭を下げてしまったのだった。(笑)


2004年 初記



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