9. 「四季彩景」
 

サイトで木曽の風景写真(メインは開田高原の風景写真)を掲載してみようと思ったのは、湯川寛氏の「木曽路 四季彩景」という写真集に出会ったのがキッカケである。
著書・湯川寛氏は木曽を故郷とする生粋の木曽人で、「木曽路 四季彩景」は四十数年間も木曽を撮り続けた中からたった五十六枚だけ掲載されている。その歴史の重みは相当なもので、所詮、休日だけ十年足らず通っただけの私の写真など足元にも及ばない。

「木曽路 四季彩景」の中で最も印象に残った写真は、2001年3月31日「春の雪」と題した上松町”木曽の桟”の作品である。
4月の声を聞くこの時期に大雪。木曽の桟橋の横にある赤い橋と雪の白色が重なり木曽川がとても美しく見えた。

この日、私はここを通過し木曽福島で釣りをしており、帰りに木曽の桟橋で写真を撮ろうと思っていたのである。

3月31日の前週、木曽福島は殆ど雪が無くなっていたのに、この雪でまた一面銀世界に逆戻り。

いつもの入渓場所から釣りあがっていく。気温は低いがタナビラ(木曽ではアマゴのことををタナビラと言う。)やイワナが数釣れてご機嫌だった。
好釣果に恵まれた嬉しさで知人との会話も弾み、帰りに撮影しようと思っていた”木曽の桟”を通り過ぎてしまったのだ。

あの日、あの桟橋を撮影していたら・・・湯川氏と同じ様な写真が撮れただろうか?

1年後の2002年。この日釣行した渓は重機が入りメチャメチャになった。今はあの頃の面影も魚影もない。
湯川寛氏の作品「春の雪」を見ると、あの日の釣行を懐かしく思い出すのである。

2004年 初記



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